金額に近い定量的な指標とは データ分析講座(その144)
◆ データ分析・活用の成果を金額で示せばインパクト大
頑張って出したデータ分析・活用の成果を、どう表現するのかは重要です。少なくとも、データ分析・活用の成果は、何かしらの数値で表しましょう。そのためにも、あらかじめ定量的な成果指標を決め、数値目標を計画しておくべきです。今回は「データ分析・活用の成果を金額で示せばインパクト大」というお話しをします。
1、データ分析:定性的な目標を設定するケースがある
たまに定性的な目標を設定し満足してしまうケースが見られます。
例えば……
DMP(データマネジメントプラットフォーム)を構築する
BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを導入する
外観検査のための数理モデルを構築しシステムに組み込む
……などです。
このような場合「できた or できなかった」という評価しかできません。さらに、何をもって「できた」と判断すればいいのかが分かり難いです。しかも「できた」ところで、ビジネス上、何が達成されたのか意味が分かりません。場合によっては「DMPさえ構築できればいんでしょ!」という感じで、全く役立たずのシステムが構築されてしまう可能性もあります。「BIツールさえ導入すればいんでしょ!」という感じで、ほとんど誰も使わない分析ツールが導入されてしまう可能性もあります。
2、データ分析:成果は金額換算で
ビジネスでのデータ分析であれば、できれば金額に近い定量的な指標を使うのが良いでしょう。
例えば……
DMPを構築することで100億円のコストダウン
BIツール導入で利益率10%アップ
外観検査のための数理モデルを構築しシステムに組み込むことで10億円のコストダウン
……などです。
そのため「DMPさえ構築できればいんでしょ!」という感じで終わりません。最低限「100億円のコストダウン」を達成するDMPを構築する必要がでてきます。そのため、「BIツールさえ導入すればいんでしょ!」という感じで終わりません。最低限「利益率が10%アップ」するBIツール導入をする必要があります。
3、データ分析:「カネのにおい」がする指標ほどインパクトがある
下品な言い方で申し訳ありませんが「カネのにおい」がする指標ほどインパクトを持ちます。分かりやすく、誰でも理解可能です。他部署の人でも分かります。
(1) 某企業人事部のケース
某企業の人事部です。人事部の新卒採用担当者がデータ分析・活用で頑張り成果を出しました。例年ですと、内定受諾率が50%前後だったのですが、80%超に上げることに成功しました。このとき、どちらのほうが分かりやすく、インパクトがあるでしょうか?
内定受諾率が50%から80%にあがった
内定受諾者数を減らすことなく3,000万円コストダウンした
「内定受諾率が50%から80%にあがった」というよりも「内定受諾者数を減らすことなく3,000万円コストダウンした」の方が、分かりやすくインパクトがあります。
(2) 一番困るのが、専門用語で成果を語られること
その分野に馴染みが無い人ほど、その分野の専門用語で語られると分かりません。先ほどの例ですと「内定受諾」という言葉にピンと来なかったら、このデータ分析・活用の成果の意味が分かりません。さらに、受諾率が80%という数字のすごさが分からなかったら、このデータ分析・活用の成果がどうすごいのか分かりません。
例えば、コストダウンという金額で示されれば、データ分析・活用によってどのくらいの規模の成果が出たのかが理解できます。「内定受諾」という用語は、何となくイメージが付きますが、生産現場の「歩留まり」はどうでしょうか?
製造業や生産現場に馴染みのない方は、生産現場の「歩留まり」の意味が、あまりイメージ付かないことでしょう。歩留まりが高いと良いのか、歩留まりが低いと良いのか、それすら分からないかもしれません。知っていれば大したことではありませんが、歩留まりとは「製造した製品の良品率」を意味します。パーセンテージ(%)で表現され、値は高い方が良いです。
「主力製品の生産の歩留まりを60%前後から常に95%以上になるよう改善した」というよりも、「出荷する良品数を減らすことなく500億円コストダウンした」の方が、分かりやすくインパクトがあります。
4、データ分析:金額で示された指標は意識変化を起こす
データ分析・活用の成果を金額で示すことは、単に成果を分かりやすくインパクトを持って他者などに伝えるだけではありません。金額で示された指標は、データ分析・活用の関係者に大きな意識変化を起こします。データ分析する側も、それを活用する側にもビジネス成果を生む意識が高まります。具体的な「金額」で成果を示す必要が出てくるからです。営業パーソンが売上などの数字を背負う感覚に似ています。
(1) ビジネス貢献感をもたらす
さらに、金額換算された成果は、データ分析・活用の関係者に自信と、ビジネス貢献の実感をもたらせてくれます。先ほどの例で考えてみます。どちらのほうが、企業全体のビジネスに貢献した感じがするでしょうか?
主力製品の生産の歩留まりを60%前後から常に95%以上になるよう改善した
例年1,000億前後の営業利益を出している会社に、新たに100億円の利益をもたらした
「例年1,000億前後の営業利益を出している会社に、新たに500億円の利益をもたらせた」の方が、会社全体の営業利益を1.5倍にしたという自信も生まれます。ビジネス貢献した実感を強く感じられることでしょう。
(2) どのような指標を使うのがいいのか?
では、どのような指標を使ったら良いのでしょうか。基本は、売上・コスト・利益の3つです。利益は、売上とコストから計算できるので、売上・コストの2つでもいいかもしれません。
また、利益や効率性が重要ということで、利益・利益率・回転率・生産性・ROIなどでも良いでしょう。このように、よくある管理会計で出てくるような指標を使ってもいいですし、その指標を参考に新たな指標を作っても問題ないでしょう。使う指標を選択する際のポイントは、出来るだけ難しくしないほうがいいということと、直観的に理解できるものがいいです。要は「カネのにおい」がする指標をデータ分析・活用の指標として採用しましょう、ということです。
5、データ分析:今回のまとめ
今回は「データ分析・活用の成果を金額で示せばインパクト大」というお話しをしました。要は、ビジネスでのデータ分析であれば、その成果を金額で示しましょう!ということです。たまに定性的な目標を設定し満足してしまうケースがみられますが論外です。では、定量的な指標で示しましょう!となりますが、一概に定量的であれば良いというわけでもありません。
一番困るのが、専門用語で成果を語られることです。その分野の人にしか馴染みのない定量的な指標で、データ分析・活用の成果を語られても、ピンとこないことが多いです。折角の成果が、相手に伝わりません。できれば、金額に近い定量的な指標を使うのが良いでしょう。金額に近いというか、ダイレクトに「円」で示すのが良いです。
基本は、売上・コスト・利益の3つです。利益率・回転率・生産性・ROIなどでも良いかもしれません。要は「カネのにおい」がする指標をデータ分析・活用の指標として採用しましょう、ということです。
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