内発的動機付け 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その79)
前回は内発的動機付けと外発的動機付けについて、そして内発的動機付けが好奇心であるということを解説しました。今回は、内発的動機付けを生み出すために重要な方策といわれる一つ『内発的動機付けの外発的動機付けからの誘引』について解説します。
1、内発的動機付けを直接的に持つことの難しさ
好奇心は、生後間もない赤ちゃんや犬などの動物も持っていることを考えると、人間を含む動物が外界に適応して生き続けるため、きわめて重要な要素を学ぶツールとなっていると思われます。
しかしある意味原始的なこの好奇心がどのように生まれるのかについてのメカニズムは、あまり分かっていないようです。そのようなこともあり、直接的に内発的動機付けを生み出すことは難しそうです。
好奇心そのものを生み出す方法やメカニズムは、後になりますがこの連載のKETICモデルのところで私なりにチャレンジして考え、解説をしたいと思います。
2、外発的動機付けによる内発的動機付けの誘引
心理学の研究においても、外発的な動機付けが内発的な動機付けを誘引するということが分かっています。例えば企業の研究所で、ある新しい分野の研究を強制され、当初は自分自身関心が持てない分野でも研究を進めることによって、その分野の研究自体に興味を持つようになるということは、大変良くあることです。むしろ大半はそのように関心、好奇心を持つようになるということではないかと思います。この点については、多くの人が経験していることと思います。
3、デシの四段階理論
心理学者であるエドワード・L・デシは、外発的動機付けによる内発的動機付けの誘引の段階を4つの段階で解説しています。
(1) 第1段階:無理矢理やらされていると感じる段階
本人はやりたくない、やる必要性を感じていない中で、外部の強制力でやらされている段階。
(2) 第2段階:注入段階
強制されているからではなく、一応自分の意思でやっている段階。「やらないと会社での評価が悪くなる」「昇進に差し障るのでやる」などの例に当たります。ネガティブ要素の解消のための、一応主体的な行動をとる段階です。
(3) 第3段階:同一化段階
目的達成のためには、これをやらなければならないと、今取り組んでいることの価値や利点(ポジティブ要素)を認識している段階。しかしあくまでも目的達成の手段として考えているだけであり、外的動機付けにより活動している段階。
(4) 第4段階:内発的動機付けされた段階
やっているうちにその目的達成を置いておいても、この活動自体が面白いなと感じる段階。
引き続き次回では「どうすれば第4段階に至らしめることができるのか」について解説したいと思います。
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