2012年の品質工学会研究発表大会で株式会社安川電機の平林和也さんが発表した「フォトカプラの機能性評価」の概要を掲載し...
フォトカプラの新規品を合理的に判定した安川電機の事例
2012年の品質工学会研究発表大会で株式会社安川電機の平林和也さんが発表した「フォトカプラの機能性評価」の概要を掲載します。
1.はじめに
電子部品は年々小形化・多機能化が進み製造プロセスが複雑化しており、動作不良の原因となる弱さが内在する可能性が高くなつています。一方で、車載用・太陽光発電・風力発電システムなど厳しい環境で電子部品が使用されることが多くなってきています。
電子部品の選定にあたっては、種々の評価結果とコストを総合的に判断して決定していますが、耐久試験のため選定に時間を要しているにもかかわらず、想定外の問題が発生するという課題がありました。
2.フォトカプラとは
今回の対象製品は発光素子と受光素子が1つのパッケージに納められており、電気信号を光に変換して発光側から受光側へ伝送し、受光部でON/OFFの電気信号に変換してデジタル出力する素子です。
3.評価方法
今回はデジタル素子であるために、入出力のパルス信号ON時間の比例関係を基本機能と設定し、誤差因子としては温度とバイアスを同時に印加し、所定時間経過後に初期と同一の条件で、従来品と新規品の特性を測定しました。
4.評価結果
温度とバイアス電圧の付加印加を100、500、900時間と変化させてみると、時間経過とともにSN比の差が拡がるものの、100時間で10db以上の差が認められ、選定判断が可能であることが分かりました。
5.損失計算
入出力の傾きの初期値と機能するための限界値、初期値に対する個々の測定点のばらつき、さらに不具合発生時の損失金額を損失関数の式に代入することで、従来品の品質水準は43,178円/個、新規品は26,911円/個と計算され、製造コストは従来品が90円安かったものの新規品を採用することに決定しました。
6.結論
長時間の信頼性試験を行うことなく100時間の機能性評価によって、合理的に新規品の採用を判定することができました。
続きを読むには・・・
「機能性評価」の他のキーワード解説記事
もっと見る機能性評価 超実践 品質工学 (その2)
【超実践 品質工学、連載記事へのリンク】 未来の品質 機能性評価 機能定義 ばらつき要因、...
【超実践 品質工学、連載記事へのリンク】 未来の品質 機能性評価 機能定義 ばらつき要因、...
ものづくり企業も要注意!マウント行為の考察(その2)
組織、集団、およそ人が集まる場所でマウント行為をする人がいます。「マウント」とは、人との関係で圧力を誇示し、自分の立場を優位に持ち...
組織、集団、およそ人が集まる場所でマウント行為をする人がいます。「マウント」とは、人との関係で圧力を誇示し、自分の立場を優位に持ち...
機能性評価の使いどころと効果 超実践 品質工学 (その6)
【超実践 品質工学、連載記事へのリンク】 未来の品質 機能性評価 機能定義 ばらつき要因、...
【超実践 品質工学、連載記事へのリンク】 未来の品質 機能性評価 機能定義 ばらつき要因、...
「機能性評価」の活用事例
もっと見るフォトカプラのコストダウンと市場トラブル防止を同時に達成した事例
2007年の品質工学会研究発表大会で株式会社ナナオの中西貴志さんが発表した「フォトカプラの機能性評価」の概要を掲載します。 1.はじめに 電子...
2007年の品質工学会研究発表大会で株式会社ナナオの中西貴志さんが発表した「フォトカプラの機能性評価」の概要を掲載します。 1.はじめに 電子...
ボーイング787機のトラブル続出に思う
最新鋭機のボーイング787の相次ぐトラブルは、大事故につながる恐れがあることが分かってきました。787機は鳴り物入りで登場して2年、日本製の国産部品が3...
最新鋭機のボーイング787の相次ぐトラブルは、大事故につながる恐れがあることが分かってきました。787機は鳴り物入りで登場して2年、日本製の国産部品が3...
品質工学で寿命信頼性を確保した事例(自動止水栓)
風呂の水を設定量で自動的に止める止水栓を開発して、1億回の寿命試験をして 出荷したところ、市場では半年足らず(約200 回)で故障してしまいました。 原...
風呂の水を設定量で自動的に止める止水栓を開発して、1億回の寿命試験をして 出荷したところ、市場では半年足らず(約200 回)で故障してしまいました。 原...




