&nb...
腐食速度と流速 金属材料基礎講座(その62)
◆ 腐食速度と流速の関係
腐食速度に影響する要因の一つに水の流速があります。
流速は腐食反応における酸素の供給量に影響します。溶存酸素による腐食反応が起こると、腐食した炭素鋼表面付近の酸素量が減少します。しかし、流速が早ければ炭素鋼表面に溶存酸素が供給され腐食反応が起こります。流速と腐食速度の間には図1のような関係があります。

図1. 流速と腐食速度の関係
ある程度までは流速が速くなるほど腐食速度も速くなります。
これは供給された溶存酸素が全て腐食反応に消費されるためです。そして淡水の場合、ある程度の腐食速度になると、酸素量が多くなりすぎて表面に不動態皮膜を形成します。そうすると腐食速度は低下します。
一方、海水の場合は塩化物イオンがあります。塩化物イオンは不動態皮膜を破壊します。炭素鋼の不動態皮膜はステンレス鋼のものよりも弱いため流速を高めても塩化物イオンによって不動態皮膜は形成されません。その結果、海水では流速が高くなるほど腐食速度も高くなる傾向にあります。
次回に続きます。
続きを読むには・・・
この連載の他の記事
現在記事
「金属・無機材料技術」の他のキーワード解説記事
もっと見るすべり系と最密充填構造 金属材料基礎講座(その4)
1. すべり系 金属が曲げや圧延などの応力を受けて塑性(そせい)変形を起こすためには金属原子の移動が必要です。この時、金属原子は単に応...
1. すべり系 金属が曲げや圧延などの応力を受けて塑性(そせい)変形を起こすためには金属原子の移動が必要です。この時、金属原子は単に応...
合金とは
身近な材料の金属材料は、鉄道、建設など高い強度が求められる機械、構造物には欠かせない材料ですが、その種類は鉄鋼、非鉄金属など多岐にわた...
身近な材料の金属材料は、鉄道、建設など高い強度が求められる機械、構造物には欠かせない材料ですが、その種類は鉄鋼、非鉄金属など多岐にわた...
ミクロ偏析 金属材料基礎講座(その19)
合金では一つの製品の中で濃度差が出てきます。それを偏析と言います。 偏析は大きく分けてミクロ偏析とマクロ偏析があります。ミクロ偏析と...
合金では一つの製品の中で濃度差が出てきます。それを偏析と言います。 偏析は大きく分けてミクロ偏析とマクロ偏析があります。ミクロ偏析と...
「金属・無機材料技術」の活用事例
もっと見るゾルゲル法による反射防止コートの開発と生産
15年前に勤務していた自動車用部品の製造会社で、ゾルゲル法による反射防止コートを樹脂基板上に製造する業務の設計責任者をしていました。ゾルゲル法というのは...
15年前に勤務していた自動車用部品の製造会社で、ゾルゲル法による反射防止コートを樹脂基板上に製造する業務の設計責任者をしていました。ゾルゲル法というのは...
金代替めっき接点の開発事例 (コネクター用貴金属めっき)
私は約20年前に自動車用コネクターメーカーで、接点材料の研究開発を担当していました。当時の接点は錫めっきが主流でした。一方、ECU(エンジンコントロール...
私は約20年前に自動車用コネクターメーカーで、接点材料の研究開発を担当していました。当時の接点は錫めっきが主流でした。一方、ECU(エンジンコントロール...




