鋳造の分類 金属材料基礎講座(その26)
◆ 鋳造の分類
金属を溶解して型に流し込みこれを凝固させて製品を得る工法を鋳造と言います。そしてこの時出来た製品を鋳物と言います。鋳造の最も単純なモデルを下図に示します。はじめに金属をるつぼと呼ばれる容器の中で融点以上に温度を上げて溶解します。これを鋳型と呼ばれる型に流し込み製品を作ります。金属製品の多くは溶解鋳造から作られています。鋳造はその加工方法や鋳型の種類などによっていくつかに分類されます。
図. 単純な溶解鋳造のモデル
(1) 砂型鋳造
主にケイ砂を使用した古くから行われている鋳造方法です。砂を突き固めたタイプや、粘結材を混ぜて焼き固めて鋳型を成型するシェルモールド法などがあります。これらの鋳型は1回きりの使用になります。鋳型が砂のため他の鋳造方法と比較して冷却速度が遅く結晶粒が大きくなりやすいです。
(2) 金型鋳造
鋳型に鉄や銅などの金属を使用した鋳造方法です。砂型鋳造と比較して、複数回使用できること、鋳型の冷却速度が速く結晶粒が細かくなること、鋳肌表面がきれいになること、寸法精度がよいことが挙げられます。
(3) 精密鋳造
砂型鋳造よりも寸法精度が要求されるときに適用されます。石膏型法やロストワックス法などがあります。ロストワックス法とは鋳物の模型をろうで作製し、その周りに耐火物スリラーをコーティングします。これを加熱することでコーティングの中のろうを溶かして出します。その後、残ったコーティング材を焼いて鋳型としてこれに鋳造します。
(4) ダイカスト
溶湯金属を精密な金型に高圧で圧入して、素早く凝固させ、製品を大量生産する方法です。アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金など非鉄系金属に広く適用されています。自動車部品に多く適用されるほか、デジカメ、パソコン、産業機械などにも適用されています。特徴は急冷凝固のため、結晶粒が微細になり製品の機械的性質が良いこと、薄肉製品の生産が可能であること、生産性が高いことなどです。
次回は、鋳造材と展伸材について解説します。
続きを読むには・・・
この連載の他の記事
現在記事
「金属・無機材料技術」の他のキーワード解説記事
もっと見る異種金属接触腐食とは:金属材料基礎講座(その65)
◆ 金属の相性で異なる腐食反応 金属材料はそれぞれ固有の標準電極電位があります。そのため、異なる金属同士を接触させると電位差が発生...
◆ 金属の相性で異なる腐食反応 金属材料はそれぞれ固有の標準電極電位があります。そのため、異なる金属同士を接触させると電位差が発生...
ミラー指数の方向 金属材料基礎講座(その24)
ミラー指数には結晶の面だけでなく、方向の表示も重要です。方向の表示にもいくつかの決まり事があります。 まず、面の時と同様に図1(a)...
ミラー指数には結晶の面だけでなく、方向の表示も重要です。方向の表示にもいくつかの決まり事があります。 まず、面の時と同様に図1(a)...
遅れ破壊とは:金属材料基礎講座(その72)
◆ 遅れ破壊:鋼材に水素が侵入 材料内部に水素が侵入することで、材料がもろくなり破壊する現象です。 水素が材料に侵入してから破壊す...
◆ 遅れ破壊:鋼材に水素が侵入 材料内部に水素が侵入することで、材料がもろくなり破壊する現象です。 水素が材料に侵入してから破壊す...
「金属・無機材料技術」の活用事例
もっと見る金代替めっき接点の開発事例 (コネクター用貴金属めっき)
私は約20年前に自動車用コネクターメーカーで、接点材料の研究開発を担当していました。当時の接点は錫めっきが主流でした。一方、ECU(エンジンコントロール...
私は約20年前に自動車用コネクターメーカーで、接点材料の研究開発を担当していました。当時の接点は錫めっきが主流でした。一方、ECU(エンジンコントロール...
ゾルゲル法による反射防止コートの開発と生産
15年前に勤務していた自動車用部品の製造会社で、ゾルゲル法による反射防止コートを樹脂基板上に製造する業務の設計責任者をしていました。ゾルゲル法というのは...
15年前に勤務していた自動車用部品の製造会社で、ゾルゲル法による反射防止コートを樹脂基板上に製造する業務の設計責任者をしていました。ゾルゲル法というのは...





