人的資源マネジメント:B to Bの請負型製品開発の改善(その1)

更新日

投稿日

 今回は、B to Bの請負型製品開発の改善事例として、開発上流での取り組みや、全体最適となる取り組みについて解説し...
 今回は、B to Bの請負型製品開発の改善事例として、開発上流での取り組みや、全体最適となる取り組みについて解説します。
 

1. 開発の特徴と課題

 
 B to B の請負型といっても様々な製品開発があるので、まずは今回の話がどのような形態をイメージしているのかをお伝えしましょう。
 
 ・基本製品はあるが、顧客要求に応えるために少しずつ変更が加えられた製品をリリースしている
 ・約3年ごとに要素技術が大きく進化する
 ・製品は電気や機構などのハードと組み込みソフトからなるが、ユニットごとの技術専門性が高い
 
 主力製品の派生モデルを数多く開発することにより、多様な顧客要求に応えることをビジネス方針としているのですが、次のような課題を抱えていました。
 
 ・派生開発にもかかわらず開発工数の削減や開発期間の短縮ができない
 ・派生開発に設計者をとられてしまい要素技術開発に影響が出ている
 ・製品の種類が増えて管理や保守のオーバーヘッドが大きくなる一方
 ・流用性を高めることに注力しているがなかなか成果が出ない
 

2. 対策の考え方

 
 顧客との関係を考えると、基本製品のバリエーションが増えるのを避けることは基本的に難しいため、派生開発を効率化することと、採算性を確保することをねらって対策を検討しました。
 
 派生開発の効率化のためには、主力製品と派生製品に共通する部分を増やして、派生開発する個別部分を減らす必要があります。また、採算性確保のためには、場当たり的に顧客要求に応えている状況を、適切な製品(モデル)バリエーションに展開することが大切です。
 
 実施した対策は、基本製品とそれをもとにした派生製品をひとつの製品群(ラインナップ)としてとらえ、製品群に共通する「技術コア」の開発を仕組み化するというものです。
 
人的資源マネジメント:ポジティブ感情図67. 課題と根本原因
 

3. 開発プロセスの全体

 
 まず、開発プロセス全体を紹介したいと思います。ポイントは、主力製品および派生製品に共通する技術コアの開発プロセスと、個別の製品(モデル)開発プロセスとの2つの並行するプロセスとなっているということです。
 
人的資源マネジメント:ポジティブ感情図68. 全体開発プロセス
 
 コア技術開発プロセスは、開発する製品(モデル)を製品群としてひとくくりにした開発計画と、すべてのモデルに共通に使える技術要素(技術コア)を作るためのものです。
 
 できたものから使えるところを探して使う「流用」とは違い、開発するすべてのモデルを見渡して、事前に「再利用」するものとして開発するものが技術コアだということに注意してください。また、コア技術開発プロセスですべてのモデルの基本開発計画(全体計画)を作成することにも注意してください。個別のモデル開発は、全体計画にもとづいて行われます。
 
 コア技術開発プロセスは大きく3つのサブプロセスからなります。中期的な開発計画である「テクノロジー・ロードマップ作成」サブプロセス、ユーザーに対してどのような利用環境を提供するのかを具体化する「ユースケース分析」サブプロセス、そして、それらを満足する製品内部の基本構造を設計する「システム設計」サブプロセスです。
 
 個別モデル開発プロセスも大きく3つのサブプロセスからなります。現実的な QCD でコア技術の製品化可能かどうかを検証する「先行開発」サブプロセス、モデルを構成するユニットを個別に開発する「ユニット開発」サブプロセス、そして、開発したユニットを統合して製品にする「製品統合」サブプロセスです。
 
 次回も、B to Bの請負型製品開発の改善の解説を続けます。
 
  

   続きを読むには・・・


「人的資源マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
技術士第二次試験対策:業務内容詳細で書く事とは(その1)

  1.内容が明確に伝わる文を書く 【特集】技術士第二次試験対策:技術士第二次試験に関する記事まとめページはこちら!口頭試験や論文対策な...

  1.内容が明確に伝わる文を書く 【特集】技術士第二次試験対策:技術士第二次試験に関する記事まとめページはこちら!口頭試験や論文対策な...


現場が意識することで見えるお客様の変化 人材育成・組織・マネジメント(その10)

  【人材育成・組織・マネジメントの考察 連載目次】 1. 間接部門のプロセス改善とは 2. 現場は全てを物語る 3. 明日の仕...

  【人材育成・組織・マネジメントの考察 連載目次】 1. 間接部門のプロセス改善とは 2. 現場は全てを物語る 3. 明日の仕...


現場リーダーが作業から離れてみると見えることとは

1.現場リーダーと作業効率  数名の部下を持つ「現場リーダー」(主任、班長、など呼び方は会社によって様々)が、現場の作業に入っている工場は少なくありませ...

1.現場リーダーと作業効率  数名の部下を持つ「現場リーダー」(主任、班長、など呼び方は会社によって様々)が、現場の作業に入っている工場は少なくありませ...


「人的資源マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
会社選びで迷ったら5Sで判断

 会社選びの指向はその時の人気企業や経済状況などで変わると思いますが、複数の選択肢から選びたいと思ったら、評価項目に是非その会社の『 5S度 』を加えてみ...

 会社選びの指向はその時の人気企業や経済状況などで変わると思いますが、複数の選択肢から選びたいと思ったら、評価項目に是非その会社の『 5S度 』を加えてみ...


どこまでも成長するためのマインドセット

 内発的動機づけにつながりやすい目標に対する考え方では、「チームの中で打率一番になる」というような明確なゴール設定をするのは「遂行目標」とよばれ、これは自...

 内発的動機づけにつながりやすい目標に対する考え方では、「チームの中で打率一番になる」というような明確なゴール設定をするのは「遂行目標」とよばれ、これは自...


人的資源マネジメント:幸せは何からできている(その2)

 今回は、充実感、満足感、幸福感を実感できるよりよい日常を過ごすためのポジティブ心理学を、その理論やデータとともに紹介したいと思います。前回のその1に続い...

 今回は、充実感、満足感、幸福感を実感できるよりよい日常を過ごすためのポジティブ心理学を、その理論やデータとともに紹介したいと思います。前回のその1に続い...