...
供給荷姿と生産コントロール:メーカー物流改善の本質(その5)

◆ 生産工程の効率化と物流
1. 供給荷姿
一貫荷姿を崩して『供給荷姿』に変換するのは工場内物流の重要な役割です。しかもそのコストは工場内物流、物流部門で持つべきでしょう。なぜなら一貫荷姿は物流コストを下げるために使われるのであり、少なくとも工場に入るまでは物流コスト低減を享受しているからです。コストはその儲かった物流コストから捻出して実施すると考えるべきでしょう。
顧客のことを考えない「わがまま物流」だと一貫荷姿をそのまま生産工程に届けることになります。これを行う物流は、一貫荷姿はその名の通り最初から最後まで荷姿を変えずに運ぶから効率が上がるのだともっともらしいことを言います。
まさに顧客の方を見ずに自分たちのことしか考えない論法です。このような対応こそが物流の地位を落としていると言えるのではないでしょうか。
実は生産工程が使う順番で容器から取り出して部品や資材を供給するということは「生産工程の効率化」に大いに貢献していることになります。仮に工場内物流で工数がかかっても生産工程が儲かるわけですからそれでOKです。ここでセクショナリズムを振りかざして物流の工数増を声高に叫ぶことはナンセンスです。
2. 生産コントロール
次にメーカー物流、特に工場内物流で取り組むべきことはものを届けることを通じて生産コントロールに寄与することです。
メーカーでは生産計画通りのものづくりを行うことが第一の使命になります。自動コンベアがあり、その上でものづくりを行っているようなケースではコンベア自体が動いているためそれが生産ペースメーカーになるのです。
しかしそうでない場合は往々にして生産作業者によって遅れ進みが発生しがちです。これを少しでも縮めるために物流が貢献することが求められるのです。では実際に工場内物流はどのような仕事をしていったらよいのでしょうか。そのために次のような仕事を行うのです。
『生産計画分の部品と完成品用容器、生産指示情報(納入ラベルやかんばん)を生産着手の直前に生産工程に届ける』
この意味合いはご理解いただけますでしょうか。「生産計画分」というところがポイントです。多すぎても少なすぎてもだめです。生産する数ぴったりを届けるのです。皆さんは7つのムダをお聞きになったことがあるかもしれませんが、この内最悪のムダといわれるものに「つくりすぎのムダ」というものがあります。
つくりすぎることによって余分な在庫や容器、保管場所や管理などが発生します。しかも、そもそもつくりすぎるということは工数に余裕があるということになるわけです。
次回に続きます。
続きを読むには・・・
「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事
もっと見る第3のSCM:【精査】戦略と挙動をつなげる手法
前回の第3のSCM: 社会変革共創を前提とした唯一の戦略に続いて、解説します。 1. TOCの限界 SCM:サプライチェーンマネジ...
前回の第3のSCM: 社会変革共創を前提とした唯一の戦略に続いて、解説します。 1. TOCの限界 SCM:サプライチェーンマネジ...
面積原価(その2)
前回のその1に続いて解説します。 SCMのあるべき生産性の評価指標を検討するために、SCMの本来の目標は何か、もう一度振り返って考え...
前回のその1に続いて解説します。 SCMのあるべき生産性の評価指標を検討するために、SCMの本来の目標は何か、もう一度振り返って考え...
調達物流 儲ける輸送改善 (その4)
【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...
【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...
「サプライチェーンマネジメント」の活用事例
もっと見る制度の見直しと物流生産性向上 私たちの物流実力値(その3)
日本は島国で国土面積も狭いため、国内物流は非常にやりやすい環境にあると思います。山がちではありますが道路網も整備されトラック輸送では...
日本は島国で国土面積も狭いため、国内物流は非常にやりやすい環境にあると思います。山がちではありますが道路網も整備されトラック輸送では...
国際競争力と物流 改善マインドを喚起する(その2)
1. 国際競争の波 自動車メーカーは国内での生産台数を何台にすると発表していますが、これはあくまで「国内で組み立てる台数」を言って...
1. 国際競争の波 自動車メーカーは国内での生産台数を何台にすると発表していますが、これはあくまで「国内で組み立てる台数」を言って...
物流協力会社との連携
1.利益が出ない受注 私たちがビジネスを実施していくうえで、協力会社の存在は欠かせないもです。協力会社とは常に連携を取り合って、効果...
1.利益が出ない受注 私たちがビジネスを実施していくうえで、協力会社の存在は欠かせないもです。協力会社とは常に連携を取り合って、効果...





