全体像 業務改革を実現する問題解決技法 (その1)
【業務改革を実現する問題解決技法 連載目次】
- 1. 全体像
- 2. 事業の概観把握
- 3. 事業責任者の問題認識
- 4. 全体業務フロー
- 5. 実態調査計画、仮説設定を行い計画化
- 6. 実態調査
- 7. 調査結果の分析
- 8. 解決策の検討
- 9. 解決策の実施
- 10.会社力・組織力・現場力の向上
1.はじめに
企業を取り巻く環境は絶え間なく変化を続け、事業運営上いろいろな問題が発生します。今まで問題のなかった仕事の進め方にも環境変化と共に手直ししなければならないことが出てきます。以下のようなことは起きていないでしょうか。
(1)中期計画は立ててあるが、足元の現実ではいろいろな問題(納期遅延対策、新規顧客開拓、人材育成、・・・)が山積みで、どこから手を付ければよいのかわからない。
(2)生産性向上、財務改善、IT推進など一応テーマを決めて取組んではきたが、目標に向かって上手く進んだのかよく見えない。
(3)無手勝流にならないよう世の中の改善手法を適用してみたいが、自社の職場に当てはめてみると活用イメージがわかない
問題解決の進め方には基本があり、重点を見極め手戻りなく問題解決を進める方法があります。またそれは大企業・中小企業、どのような業種・業務でも同じであると、筆者の実際のサポート経験から考えています。
2.よくあるケース(本当の問題が見えていますか?)
関係者の多くが問題認識を持っていても、以下のようなことがよく起こります。
(1)見えている表面的なことだけを重要な問題だと皆が思い込んでいる。
(2)組織目標を意識せず各人が自分のメリット優先で考えている。
(3)皆の意識がバラバラで職場一丸の取り組みができない。
これらの多くは「本当の問題が見えていない」ということに起因します。そして見える化ができていないと、「実際とは違う事を問題の原因と決めつける」「声の大きい人、職階が上の人の意見を鵜呑みにしてしまう」というような弊害が発生することにもなります。
また、事業責任者は事業経営視点から「やるべき問題解決」を考えていますが、現場部門では「自分の仕事が楽になるための問題解決」を考え、スタッフ部門では「自分達が提供可能な手段を使った問題解決」を考えていることが多く、関係者の話がかみ合わずに問題解決がなかなか進みません。
3.問題解決策の実施までの流れ
問題解決の進め方の基本は以下の通りとなります。

「問題があるので関係者で集まって知恵を出そう」というようなことがよくありますが、このような場合はたいがい「5」の対策検討にいきなり取り組んでいます。その前に行うべき「対象事業の概観把握」~「問題分析」が抜けています。
問題解決の基本を踏まえて進めれば、以下のようなことが可能となります。
(1)表面には現れていない本当の問題が明確になる。
(2)事業目標を踏まえた組織として解決すべきことは何かを全員が共通認識する。
(3)職場が変わる。(協力して問題解決へ取り組む、リーダーシップのある人材が育つ)
問題解決の一番のポイントは「何が本当の問題か」を明らかにすることにあります。そうでなければ効果的な問題解決は望めません。そして本当の問題を見えるようにし、真因を追究するためには「とりあえず・・・」というやり方では上手くいきません。着実に進めて行くための手順、多くの関係者を巻き込みながら進めていく手順が必要となります。
問題解決をムダなく手戻りなく進め、関係者の行動を変え、組織目標達成に導くための技法について、次回は「対象事業の概観把握」について解説したいと思います。
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