1.企業の寿命

一般的に、企業の寿命は30年ぐらいだろうと言われています。にもかかわらず、筆者の元同僚が経営するものづくり企業は、36周年を迎えます。30歳ごろ起業して、バブル崩壊やリーマンショックを乗り越えています。しかも、リスクの高かったFAの設備投資を主体とした企業なのです。生き残り策の主要因は、差別化技術力、人材育成、偏りのない複数の取引先の確保、身の丈に合った投資など見習うべき点が多いようです。本来、企業経営の目的は、「ゴーイングコンサーン」と表現され、企業活動を継続させていくことで社会貢献を果たしていくという考え方です。このためには、どうしたらよいのでしょうか。この問いに対して、明確に答えられる人は少ないのではないかと思います。
2.460年続いたものづくり企業
近年、江戸または明治時代から代々続いてきた老舗の倒産も増加傾向にあるようです。そのような中で、戦国時代から、460年以上、代々続いてきた「オカモト」という鋳造所に長寿のヒントがあるようです。皇室や大名から御用達の製品も代々作り続けてきたということで、許可証や依頼書などが残されている老舗ものづくり企業です。製品としては、なべ、釜から、寅さんでおなじみの柴又帝釈天の鐘などを製造してきました。最近の製品は、景気の変動要素の比較的少ない工作機械のベッド(架台)や機械を作る補助具としての冶具などの生産財に特化しています。
3.長寿の秘訣
たまたま、この企業の長寿の秘訣を、作家で経済評論家の幸田真音さんが尋ねていました。それによると、まず、代々、ほどよい時期に、意識的に婿養子を向かえているそうです。これは、身内と違う考え方も導入して、時代のニーズにあった商売に仕立てられてきたということのようです。また、家訓が3つあるそうです。一つ目は、本業に専念すべし。二つ目は、政治に口出しはしない。三つ目は、お説教はしない。代々の当主は、これさえ守れば後は自由なことができるというものだそうです。 非常にシンプルな家訓です。
4.ものづくり企業の生き残り策とは
つまり、老舗ものづくり企業の長寿の秘訣、筆者自身の体験及びコンサルの知見を一般化すると、次の4つのようなことが言えそうです(図1)
図1 ものづくり企業の生き残り策
これって、出来そうで出来ない、普遍的な経営哲学になっていると思いませんか。 つまり、経営者の想いを社内で共有化できているか、差別化できる自前の技術を持っているかが分水嶺となりそうです。そのためには、自律した社員を何人育てているかが問われています。
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