運賃と賃金水準の影響 輸送能力確保に向けての取り組み(その1)

投稿日

...

サプライチェーンマネジメント

◆ トラックドライバーの高齢化

 最近、トラックはあるもののドライバーがいないため顧客のニーズに応えられないという現象が起き始めています。これでは日本国内のトラック輸送が危機を迎えることになるかもしれません。東北の震災復興需要や2020年の東京オリンピック開催に向けて資材等の輸送がピークを迎えますが、一方でその他の輸送について従来のように満足な供給能力を確保できるかが問題になりつつあるのです。

 今後トラック輸送を中心とした輸送能力の確保が問題になるその大きな理由は何でしょうか。実はドライバーの高年齢化が挙げられるのです。ちょっとデータを紐解いてみましょう。普通トラックの20歳代のドライバーは1993年に37.8%を占めていましたが、2011年には9.4%へと激減しています。

 一方で普通トラックの40歳代以上のドライバーは1993年に37%でしたが、2011年には59.4%へと大きく増えているのです。このドライバーの高齢化は大型トラックではさらに深刻になります。1993年に20歳代以下は15.1%でしたが、2011年には3.6%です。40歳代以上は72.7%でほぼ4人に3人が40歳代以上だということになります。

 ではなぜこのような現象が起きているのでしょうか。主に2つの理由が挙げられています。

  • (1) トラック運送業界の賃金水準の低下(時間当たりの平均賃金は他産業と比べても低い水準)
  • (2) 過当競争がもたらす、運賃の長期低迷が原因という評価

 かつては働き方次第で高給が取れる職種だと言われたトラックドライバーも今や競争が厳しく、給与の安い職業だということになってしまったのです。若い人がこの職に就きたがりませんから、今までのドライバーがそのまま年を取り、仕事を継続しているといった構図になっているのです。

 輸送能力確保に向けての取り組み、次回に続きます。

   続きを読むには・・・


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
SCMの定義と長期的価値

1.サプライチェーンの需要と供給はコインの表裏  生産も販売も、顧客から見ると供給業務の連鎖です。また生産から見ると販売は需要であり、販売からみれば生産...

1.サプライチェーンの需要と供給はコインの表裏  生産も販売も、顧客から見ると供給業務の連鎖です。また生産から見ると販売は需要であり、販売からみれば生産...


配送のジャストインタイム、クロスドッキングとは

 物流は、メーカーの工場から小売店への小口配送までの間に、卸またはメーカーの物流倉庫という大口の配送・保管工程が介在するのが一般的です。すべてが工場からの...

 物流は、メーカーの工場から小売店への小口配送までの間に、卸またはメーカーの物流倉庫という大口の配送・保管工程が介在するのが一般的です。すべてが工場からの...


最先端のSCMテーマ、S&OP SCM最前線 (その6)

 前回のその5に続いて解説します。   3. S&OPで実現される業務    現在行われているS&OPではどの...

 前回のその5に続いて解説します。   3. S&OPで実現される業務    現在行われているS&OPではどの...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
荷役安全と運輸安全マネジメント:物流安全の勘所(その1)

  ◆ 荷役安全と運輸安全マネジメント  物流は特に安全上の注意が必要な業務ですが、どんな仕事であれ安全第一であることは間違いありません...

  ◆ 荷役安全と運輸安全マネジメント  物流は特に安全上の注意が必要な業務ですが、どんな仕事であれ安全第一であることは間違いありません...


物流倉庫の改善とは(その2)

  物流倉庫の改善とは(その1)に続けて解説します。 4.物流エラーを防ぐには ◆ 物流エラーを防ぐための改善策  倉庫で...

  物流倉庫の改善とは(その1)に続けて解説します。 4.物流エラーを防ぐには ◆ 物流エラーを防ぐための改善策  倉庫で...


  グループワーク:物流業務での若手育成(その2)

  ◆物流スタッフは刺激を受けろ グループワークで課題解決を行うことは物流スタッフには大変有効だと思います。多分今まで社内でこのような教...

  ◆物流スタッフは刺激を受けろ グループワークで課題解決を行うことは物流スタッフには大変有効だと思います。多分今まで社内でこのような教...