CAMに求める機能の違い:金型加工と部品加工

更新日

投稿日

&nb...

 

金型

1. 金型加工用と部品加工用、それぞれのCAMの違い

 素材は6面フライスした材料が多く荒取り加工では切削ボリュームは多い金型加工と、3次元加工は2次元加工の後に行う場合が多く素材形状は何らかの加工形状がついた状態になる部品加工では、CAMに求める機能は違ってくるはずです。

 そこで、金型加工と部品加工、それぞれの用途において、CAMに求める機能の違いについてまとめてみました。

 そもそも、一般に市販されている3次元CAMは、金型加工用とか部品加工用といったように定義して販売されているわけではありません(中にはそういったソフトもあるかと思います)。

 ここで、金型加工用とは、主に自由曲面で構成される金型意匠面を加工するためのCAMで、部品加工用は、主に金型の周辺部品や金型以外の構造部品でも加工できる汎用的な機能を持つCAMのことを想定しています。

 加工メーカーが、それぞれのCAMに求めている機能は、次のようなものがあります。

2. 金型加工用のCAMに求める機能

 素材形状は、6面フライスした材料などシンプルな形状が多く、そのため荒取り加工では切削ボリュームは多い傾向にあり、高効率化と工具の長寿命化を両立させられる機能、例えば局所的な負荷の低減など、高度な荒取り加工パスが要求される。

 ボールエンドミルによる仕上げ加工パスにおいて、加工後に意匠面を磨く場合には、三角パッチの目が浮き出てはいけない、微細なトレランス設定が必要など、仕上がり面品質が重要になる場合がある。

 小径ボールエンドミルの加工がある場合は、前工具で削り残った領域を参照した加工パスが計算できる「削り残り部加工」は必須である。その他、各荒取り工程後の素材形状を、次行程の加工領域に活用できる機能、工具の突き出し長さの計算、工具の突き出し長さごとに加工領域を切り分けられる機能などがある。

3. 部品加工用のCAMに求める機能

 3次元加工は、2次元加工の後に行う場合が多く、3次元加工を行う前の素材形状は、何らかの加工形状がついた状態になる。そのため、自由度の高い素材定義ができる機能や、素材と工具の干渉を簡単に見つけられる機能が求められる。

 すでに仕上がっている2次元加工が終わっている部位に、3次元加工の工具が触れない加工パスが簡単に作成できることが望ましい。

 金型用の3次元CAMで使用する工具は、ボールやラジアスエンドミルが主体になるが、部品加工用CAMで使用する工具は、フラットエンドミルや、ドリルやタップなども加わり、汎用的に色々な種類を用いる。このため、2次元と3次元の加工を簡単に併用できる操作性が求められる。その他、ダミー用サーフェース面の簡易なモデリング機能、2次元から3次元を分け隔てなく使える加工シミュレーション機能などがある。

4. 全工程を見渡した中でのCAMのあり方検討

 実際には、金型加工用・部品加工用、それぞれに特化して販売されているわけではありませんが、明らかに2次元加工で使うには使いづらく、3次元の曲面加工をメインにしたCAMや、その逆の用途のCAMもあります。

 こうした使い分けの適正の良し悪しは、金型や部品加工の製造原価や受注キャパに、じわりじわりと効いてくるので、あながち無視はできません。

 しかしながら、特に金型メーカーにおいては、設計工程、例えば、2次元設計なのか3次元設計なのか、また部品図を2次元で作図しているのか、3次元モデルで現場に回しているのかなど、前工程からのプロセスによっても、どのようなCAMの使い分けが望ましいのか変わってくると思います。

 ぜひ一度、設計から加工まで、全工程を見渡した中で、改めてCAMのあり方を検討されてみるのもよろしいかと思います。

   続きを読むには・・・


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
最も大切なことは、高い品質を確保すること 品質を考える(その2)

  ◆ コストダウンするならQCDの順ではなく、QDCの順! 1. 品質を考える:5Sは、整理、整頓、清掃、清潔、躾の順番にやるの? ...

  ◆ コストダウンするならQCDの順ではなく、QDCの順! 1. 品質を考える:5Sは、整理、整頓、清掃、清潔、躾の順番にやるの? ...


改善は誰のために行うか 儲かるメーカー改善の急所101項 (その1)

       1. モノづくり〈基本の基本〉   ◆ 改善は誰のために行うか   ...

       1. モノづくり〈基本の基本〉   ◆ 改善は誰のために行うか   ...


SQHKライン戦略とは(4) 【快年童子の豆鉄砲】(その78)

       2.SQHKラインとは 前回の5)SQHK化後に大幅な省力と環境改善が出来た理由の説明に続け...

       2.SQHKラインとは 前回の5)SQHK化後に大幅な省力と環境改善が出来た理由の説明に続け...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
中国人と日本人の感覚の違い、外観に対する認識 中国企業の壁(その32)

       外観検査と寸法・特性検査との違いは、寸法・特性検査では図面や検査基準書に従って合否を判断しますが、外観検査の場合、検査員が自分の判断基...

       外観検査と寸法・特性検査との違いは、寸法・特性検査では図面や検査基準書に従って合否を判断しますが、外観検査の場合、検査員が自分の判断基...


赴任者のために 中国工場管理の基本事例(その7)

1、赴任者のための現地・中国人社員のマネジメント(その5)  前回の赴任者のための現地・中国人社員のマネジメント(その4)に続いて解説します。 ◆...

1、赴任者のための現地・中国人社員のマネジメント(その5)  前回の赴任者のための現地・中国人社員のマネジメント(その4)に続いて解説します。 ◆...


事例紹介:加工現場における課長という立場

  ◆ 現場の課長が抱える悩みと解決策 【目次】 1、部長と現場の板挟み 2、加工をやっていない課長の苦悩 3、現場肌の課長さんの...

  ◆ 現場の課長が抱える悩みと解決策 【目次】 1、部長と現場の板挟み 2、加工をやっていない課長の苦悩 3、現場肌の課長さんの...