責任と権限の明確化 プロジェクトマネジメントのエッセンス(その3)
【プロジェクトマネジメントとは連載目次】
前回のその2では、WBS(Work Breakdown Structure)を解説しました。今回は、責任と権限の明確化です。プロジェクトマネジメントにおける責任と権限明確化の重要性は疑いのないところでしょう。今回はこれを実現するためのツールを2点ご紹介します。
1.作業責任マトリクス(TRM)
プロジェクトで仕事を実施する場合、誰が何をいつまでに行うかを明確化することが重要となります。通常の業務では、これらがあいまいにされてしまうことが多いのではないでしょうか。これを、以前紹介したWBSの開発テーマの例で示すと、図1のような作業責任マトリクス(TRM:Task Responsibility Matrix)で表現できます。
ポイントは、責任者(主担当者)と通常の担当者を明確に分離して示すことです。ここでは、メンバー別に主担当、担当を明確化してみました。この取り決めは、各担当者のモチベーションとプロジェクトへの参画意識を高めるのに有効となります。

図1 作業責任マトリクス(TRM)の記述例
2.責任分担表(LRC)
もう一つ忘れそうなのが、責任分担表(LRC:Linear Responsibility Chart)です。
開発業務の代表的ケースを一般化し、図2として例示してみました。組織横断的なプロジェクトの場合、誰が意思決定者で、誰が実行者なのかを明確化することで、プロジェクトの統制がスムーズになります。筆者が見てきた失敗プロジェクトの場合、意外にこれが抜けているケースが多かったのです。簡単な取り決めですが、現実の業務では、これが非常に重要なものとなってきます。各責任者の役割が明確化されていますので、これで責任のなすりあいがなくなるわけです。

図2 責任分担表(LRC)の記述例
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