中国における自動車電動化の取組みと国際社会への影響・展望:電動化で世界を先導する中国にどう対応すべきか?

内燃機関車強国の日本企業はこのままでは立ち遅れてしまう!?世界最大のNEV生産・輸出国に成長した中国の戦略目標や取組みの現状をふまえ、日本企業が生き延びるためにはどうすべきか、関連ビジネスをどう展開ないし転換すべきか、その指針となる内容を提供します!
充電・電池交換インフラの整備、再生可能エネルギー電源への転換、リチウム資源の確保から車載用蓄電池の安定供給、使用済み電池の回収・リサイクルからNEV販売目標規制やクレジット取引制度まで、中国の各種取組み動向を把握できます!

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    セミナー趣旨

      脱炭素化は世界的な流れである。日本も中国も例外ではない。実現するには、あらゆる分野での脱化石燃料化が不可欠である。当然、石油系内燃機関車から新エネルギー自動車(NEV:電気車、プラグインハイブリッド車と水素燃料電池車を含む。ハイブリッド車を含まない)への転換という自動車の電動化は避けて通れない。
      日本は、2019年ノーベル化学賞受賞者吉野彰氏が指摘したように、リチウムイオン電池等部品や素材の技術開発で世界をリードしているが、最終製品の産業化や国際競争力の面で立ち遅れてしまった。それに対し、中国は、脱炭素社会の実現と自動車「大国」から「強国」への変貌の一環として、NEVの産業育成と普及を戦略的に推進し、世界最大のNEV生産・販売国、保有国、輸出国に成長した。2023年1~3月では、中国の自動車輸出台数が日本を抜いて世界首位となった。決して偶然ではない。内燃機関車が退場していくにつれ、業界の勢力図が大きく変わり、中国が自動車強国になるのはもはや夢物語ではなくなりつつある。
      本セミナーでは、なぜ中国が自動車の電動化で世界の先頭に躍り出られたのか、NEV世界一の座を維持し続けられるのか、世界全体の自動車電動化、日本を含む先進国中心の自動車業界にどのような影響を与えうるのかなどについて解説する。また、NEV普及に不可欠な充電・電池交換インフラの整備、NEVによる脱炭素化に欠かせない化石電源から再生可能エネルギー電源への転換、車載用蓄電池に必要なリチウム資源確保、車載用蓄電池の安定供給、使用済み蓄電池の処理(回収・再利用・リサイクル)等の万国共通の課題に向けた中国の取組みも紹介する。合わせて、米国カリフォルニア州の取組みを参考に導入したNEV販売目標規制とクレジット取引制度、中国の実情や固有性を踏まえて展開している「NEV下郷(NEVを農村部に普及させる)」事業についても解説する。
      本セミナーの目的は、受講者に、中国の自動車電動化の戦略目標、取組みと将来展望および世界における立ち位置を体系的に明示するとともに、それに対して日本企業はどう対処すべきか、ご自身の会社が生き延びるためにはどうすべきか、関連ビジネスをどう展開ないし転換すべきか、などについて考えるきっかけを提供することである。

    受講対象・レベル

    ・自動車部品から完成車製造までの自動車産業関係者
    ・エネルギー産業、充電インフラ業界、商社
    ・中国の自動車電動化の真相を知りたい方
    ・日本の自動車産業の再興と炭素排出実質ゼロの実現のヒントを得たい方

    習得できる知識

    ・中国の自動車電動化の戦略目標、取組みと将来展望および世界における立ち位置を体系的に把握できる。
    ・自動車ビジネスで生き残るためのヒントが得られる。
    ・中国と自動車関連ビジネス(部品や電池調達なども含む)を展開する場合のヒントが得られる。
    ・中国における自動車関連ビジネスに関する示唆が得られる。
    ・ご自身の会社の比較優位性、比較劣位性を確認する手掛かりが得られる。
    ・自動車電動化における日中の違いなどを確認することができる。

    セミナープログラム

    1.自動車電動化は中国の国家戦略
     1.1 自動車電動化(NEV)は脱炭素社会構築に欠かせない
      ・中国が国連に提出した温暖化防止目標の推移
      ・なぜ脱炭素「3060目標」が設定されたか?
      ・火力中心だから意味ないのではなく、電動化と電源脱炭素化を同時推進
      ・NEV用の電力を再生可能エネルギー電源で確保できるか
     1.2 自動車「大国」から「強国」への転換は電動化を避けて通れない
      ・内燃機関車では比較優位性がない
      ・電動化なら勝算ある:NEVは内燃機関車の延長線上ではなく、新世代の車
     1.3 自動車電動化戦略の概要、技術ロードマップと中長期計画目標
      ・電気自動車(BEV)と水素燃料電池自動車(FCV)の位置づけ
      ・NEV技術開発ロードマップ(2015年版と2020年版)
      ・NEV関連中長期計画目標と脱炭素「3060目標」に向けた2035年目標
      ・中国の電動化はハイブリッド自動車(HV)を含めない
    2.自動車電動化の世界における中国の位置付け:先頭に躍り出た中国
     2.1 2015年から8年連続世界最大のNEV生産・販売・保有国となった
     2.2 世界におけるNEV の生産動向
       :BYD等中国系がNEVトップメーカーの列に
     2.3 世界における車載用電池の生産動向
       :CATL等中国系が車載用蓄電池のトップメーカーの列に
     2.4 世界における車載用電池部材の供給動向
       :中国抜きにしてリチウムイオン電池の4大部材の安定供給を語れない
      ・正極材
      ・負極材
      ・電解液
      ・セパレーター
     2.5 世界におけるEVモーター材料の供給動向
       :中国抜きにしてEVモーター用レアアースの安定供給を語れない
     2.6 リチウム資源確保に向けた中国の取組み
      ・資源量は世界の上位:残存可採埋蔵量と発見量
      ・資源の地域分布
      ・資源の種類別分布
      ・資源の品位
      ・リチウム産業発展に関する政府の基本方針と中長期計画
      ・リチウム市場動向:生産量、需給バランス、価格等
      ・国内リチウム資源開発の動向
      ・使用済みリチウムイオン電池からの資源回収
      ・海外リチウム開発における中国の取組み
     2.7 中国は2023年に、日本を抜き世界最大の自動車輸出国になる
    3.なぜ中国が世界の自動車電動化の先頭に立っているか:中国モデル
     3.1 自動車電動化は国家戦略
     3.2 理論的に有効、または国際的に有効と実証された対策を貪欲に導入
      ・鄧小平氏主導の高度科学技術開発「863計画」から始まる産業育成
      ・NEV購入時補助金制度:2009年導入、2023年廃止
      ・NEV税制優遇制度:消費税と自動車取得税および自動車税を免除
      ・充電・電池交換インフラ整備への支援
      ・NEV販売目標規制とクレジット取引制度の導入
     3.3 中国の実情や固有性に合わせた対策を試行錯誤的に模索し続ける
      ・5カ年計画や中長期計画の作成と執行
      ・NEV下郷(NEVを農村部に普及させる)」事業の展開
      ・NEVで「家に戻れる、都会を離れられる、農村部に遠出できる」ための事業
      ・大都会での内燃機関車に対する登録・走行日制限等の規制制度
     3.4 よくある誤解
      ・補助金があるから、導入が拡大できた
      ・内燃機関車が大都会で規制されているから、導入が拡大できた
     3.5 なぜNEVが売れているか
      ・内燃機関車に対するNEVの比較優位性:取得・保有コスト、走行コスト
      ・消費者に幅広い選択肢を提供できる:車種・型式数、価格帯、航続距離分布
      ・NEV利便性の向上:航続距離の延伸、充電・電池交換インフラの充実
     3.6 なぜ中国製NEVが海外で売れているか
      ・価格性能比でみる国際競争力の高さ
      ・認知されつつあるBYD等中国系NEVブランド:輸出と現地生産
      ・NEVサプライチェーンの強靭性による安定供給力
      ・炭素排出実質ゼロに向けた取組み強化が追い風
      ・グローバルサウスに再生可能エネルギー電源とNEVを同時に提供できる
    4.中国が電動化で世界一の自動車強国になれるか?
     4.1 自動車強国は宿願の夢
     4.2 自動車強国とは何か?基準は?
     4.3 中国の自動車業界の展望
       :自動車強国はもはや夢物語ではなくなりつつある
     4.4 今後の課題
     4.5 国際社会への示唆:日本企業はどう対処すべきか?
    <質疑応答>

    セミナー講師

     国立大学法人長岡技術科学大学 大学院 情報・経営システム系 教授 博士(経済学) 李 志東 先生

    ■ご略歴
    1983年、中国人民大学卒業。1990年、京都大学大学院博士後期課程経済学研究科修了、経済学博士。
    1990年、日本エネルギー経済研究所を入所。研究員、主任研究員、長岡技術科学大学助教授、
    准教授を経て、2007年から現職、兼日本エネルギー経済研究所客員研究員、
    中国国家発展改革委員会能源(エネルギー)研究所客員研究員 
    ■ご専門
    脱炭素システム論、エネルギー経済学、環境経済学、計量経済学
    ■業績
    『中国の環境保護システム』(1999年、東洋経済新報社)、
    「International Frameworks and Technological Strategies to Prevent Climate Change」
      (共著、Springer、2003)、
    『中国低炭経済発展報告2010』(共著、2011年、中国社会科学文献出版社)、
    『中国経済の成長持続:促進要因と抑制要因の分析』(共著、2011年、勁草書房)、
    『中国経済の実像とゆくえ』(共著、2012年、ジェトロ)、
    『効率と公正の経済分析:企業・開発・環境』(共著、2012年、ミネルヴァ書房)、
    『東アジア連携の道をひらく:脱炭素社会・エネルギー・食料』(共著、2017年、花伝社)、
    『一帯一路からユーラシア新世紀の道』(共著、2018年、日本評論社)、
    『中国年鑑2022』(共著、2022年、中国研究所)、他多数
    ■本テーマ関連のご活動
    エネルギー・資源学会代議員、環境経済・政策学会理事を歴任、
    日本エネルギー経済研究所客員研究員と中国国家発展改革委員会能源(エネルギー)研究所客員研究員を兼任。
    「参議院国際・地球温暖化問題に関する調査会」会議で参考人として、
    経済産業省・外務省・環境省等関連官庁と経済同友会など業界団体主催の温暖化防止や
    エネルギー安全保障関連会議で出講者として、証言や情報発信と意見交換を行った。
    NHKクローズアップ現代プラスや日本テレビ深層NEWS等にも出演。

    セミナー受講料

    1名41,800円(税込(消費税10%)、資料付)
    *1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円
    *学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。

    主催者

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