経営と現場をつなぐ実践的手法とは

更新日

投稿日

1.管理を目的とした手法...

1.管理を目的とした手法の弊害

 
 ものづくり手法私は、各種のものづくり手法に対するこだわりは、『実践的』であることです。言うまでもなく、価値を生み出すのは現場あり、一人ひとりの技術者、研究者の仕事です。すなわち、どのような手法も現場で実践されなければ意味を持ちません。そのためには、現場の技術者、研究者がメリットを感じるものである必要があります。現場がメリットを感じない手法は、継続されず、表面的な形ばかりの形骸化したものになってしまいます。
 
 しかし、世の中には、管理する側の論理を中心に構築されている手法が少なからず存在するように思います。管理するため、あるいは評価するためだけの見える化手法や、実施するうえで細かいルールや作法ばかりが重視される手法など、およそ実践的とは言えないものも見受けられます。勿論、組織を動かすうえで、管理や評価のための手法や仕組みが不要というわけではありません。特に組織の規模が大きくなれば、そのような手法はある程度必要になります。しかし、現場の視点を離れ、「管理するための管理」、言い換えれば、管理を目的とした手法が中心になってしまうと、経営と現場はかい離し、組織の力は低下します。
 

2.実践的とは

 
 私は、経営手法の本質的な意味は、「管理すること」ではなく、「経営と現場をつなぐこと」であると考えています。そのためには価値を生み出す現場、そこで働く技術者、研究者がメリットを感じる『実践的』なものであることが求められます。そこで、弊社では、この『実践的』という言葉を、下記の3つの意味で捉えています。
 

(1)直観的に理解できること

 
 一目見て、その意味と全体像が直観的に理解できるものであること。複雑な仕組みや細かいルール、作法などが極力必要のないこと。細かいルールや作法が必要なものは、それを教える側(大学の先生やコンサルタントなど)には都合がよいかもしれませんが、組織の中で継続的に活用されるうえでは意味を持ちません。
 

(2)気づきを生み出す視点やプロセスを内包していること

 
 知っていることや世の中の情報をきれいに整理するようなものではなく、実践をとおして深い思考や議論を促し、これまでの思考の枠を超えた新たな気づきをもたらすものであること。言い換えれば、組織におけるダブルループ学習を促進するものであることです。
 

(3)汎用化されていること

 
 特定の業種・業界や製品、技術分野に対するものではなく、様々な会社で活用できる汎用的な知識として昇華されたものであること。汎用化されているということは、それをもとに応用できるこということであり、特定の会社、製品、技術の特性や課題に沿った応用性が高いということでもあります。
 
 私は、上記の3つの意味を大切にしながら、現場の技術者、研究者がメリットを実感し、経営と現場をつなぐことによって成果を形にしていく『実践的』な経営手法を開発・提供し、ものづくり企業のR&D現場、そして一人ひとりの技術者、研究者に貢献していきます。
 
 

   続きを読むには・・・


「事業戦略」の他のキーワード解説記事

もっと見る
第8章 教育・研究開発 ものづくり白書を5分で読む。(その8)

  【この連載の前回:ものづくり白書を5分で読む。(その7)へのリンク】 全274ページにわたる「ものづくり白書:2022年度版」の各章...

  【この連載の前回:ものづくり白書を5分で読む。(その7)へのリンク】 全274ページにわたる「ものづくり白書:2022年度版」の各章...


中小企業の原価低減施策とは

1. 海外からの調達    製造原価高騰により、海外で部品を調達し、原価コストを下げるということがどんな部品も検討されています。理論上は正し...

1. 海外からの調達    製造原価高騰により、海外で部品を調達し、原価コストを下げるということがどんな部品も検討されています。理論上は正し...


なぜ、「言語データ解析」なのか (1) 【快年童子の豆鉄砲】(その5)

  【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その4)職人気質へのリンク】   1.言語データ解析と言う概念 表2-1に挙げ...

  【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その4)職人気質へのリンク】   1.言語データ解析と言う概念 表2-1に挙げ...


「事業戦略」の活用事例

もっと見る
感性工学・感性価値 :新環境経営 (その35) 

 新環境経営への取組みについての話題を提供するに当たり、経済成長に邁進してきた中で発生した公害の歴史、CSRの取組の変遷、環境マネジメントシステム、有...

 新環境経営への取組みについての話題を提供するに当たり、経済成長に邁進してきた中で発生した公害の歴史、CSRの取組の変遷、環境マネジメントシステム、有...


請負企業と価値創造

 今回は、生産財メーカーの価値創造、商品企画について解説します。生産財メーカーに商品企画の課題を伺うと、多くの企業から商品企画は行っていない。顧客から...

 今回は、生産財メーカーの価値創造、商品企画について解説します。生産財メーカーに商品企画の課題を伺うと、多くの企業から商品企画は行っていない。顧客から...


感性工学を構成する要素 :新環境経営 (その38)

   今回は感性工学を構成する要素として「感性教育」と「感性社会学」について解説します。    1. 感性工学を構成する要素の「感性教育」  ...

   今回は感性工学を構成する要素として「感性教育」と「感性社会学」について解説します。    1. 感性工学を構成する要素の「感性教育」  ...